Story
猛る焔が照らし出す、悔恨と憎悪の果てに残るものは――
五年前、少女シエラの故郷は炎に呑まれた。
一夜にして村を焼き尽くしたその大火事は後に“落日の大火”と呼ばれ、何者かが火を放ったと考えられるものの、その元凶は分からないまま。
シエラの記憶には、炎の中から響き渡った男の哄笑が焼き付いて離れなくなった。
時は流れ現在、シエラは移り住んだ街で叔父の営む店を手伝いながら暮らしている。
“落日の大火”の鎮魂の祭が近付くある日、店を訪れたひとりの旅人がシエラが聞いた笑い声に心当たりがあるという。
その客の語る男の特徴は、店にいた別の客とよく似ていた――。